ホワイトニング

歯のホワイトスポットとは?原因と治療法

歯に白い斑点状のものがこびりついていて不安になっていませんか。これは「ホワイトスポット」と言われる斑点で、状態によっては褐色になってブラウンスポットになることもあります。ホワイトスポットが前歯にできると、目立つので特に気になってしまうでしょう。この記事ではホワイトスポットができる原因と治療法を紹介します。

歯のホワイトスポットとは

歯のホワイトスポットは、歯の表面に現れる白い斑点であり、エナメル質の下の微細な脱灰によって生じます。エナメル質は本来透明ですが脱灰が起こると、その部分が白く濁って見えるようになります。唾液の流れが少ない場合や口腔内が乾燥していると、これらの白斑がより目立つようになることがあります。

歯にホワイトスポットができる3つの原因

歯のホワイトスポットができる原因は大きく分けると3つあります。日本では主に初期虫歯とエナメル質石灰化不全が原因になっています。それぞれの原因を理解して、ホワイトスポットの治療方法を考えてみましょう。

初期虫歯

虫歯ができてきた初期にホワイトスポットができる場合があります。虫歯菌の酸によって歯が溶かされて脱灰したときに、歯が光沢を失って濁るようになります。初期虫歯では歯の表面が全体的に溶けず、内部が溶けていく表層下脱灰が起こりやすいのが特徴です。表層下脱灰が起こると、歯の内部が光の乱反射を起こしやすくなってホワイトスポットができます。

エナメル質石灰化不全

ホワイトスポットは、エナメル質石灰化不全やエナメル質形成不全が原因で起こります。乳歯に多い現象で、石灰化が十分に進行しなかった部分がホワイトスポットになります。エナメル質石灰化不全は、歯が形成されている時期の病気や栄養失調、打撲などが主な原因です。

フッ素の過剰摂取

ホワイトスポットはフッ素の過剰摂取によって発生する場合があります。歯の発生初期に過剰のフッ素を使用するとフッ素症が生じるリスクがあります。フッ素を水道水に添加している国で起こることが多い症状です。現在のところ日本ではフッ素を添加していないのでリスクは低いですが、海外で子育てをするときには注意が必要です。

ホワイトスポットの代表的な治療法

ホワイトスポットの治療は原因に合わせておこなうことが大切です。ホワイトスポットを削って治療することも可能で、ダイレクトボンディングなどの治療方法があります。ただ、削ってしまった歯は元に戻せません。ここではなるべく歯に優しい形でできるホワイトスポットの治療方法を紹介します。

フッ素塗布

フッ素塗布は、初期虫歯が原因で発生したホワイトスポットの治療で用いられます。フッ素を配合している歯磨き粉を使用してセルフケアをすることもできます。再石灰化を促進することで歯を守り、虫歯の進行を抑制するのが主な目的です。ただし、これだけではホワイトスポットがきれいにならないこともあるので、効果が十分でなかったときには歯医者で治療を受けましょう。

歯面研磨

ポリッシングとも呼ばれる歯面の研磨は、歯の表面に付着している汚れを取り除く方法として用いられている治療法です。ホワイトスポットがエナメル質の表面にあるときには研磨をすると小さくできます。完全に取り除くことは難しい場合が多いですが、簡単にできる治療方法です。

ベニア

ラミネートベニアや、ダイレクトベニアによる治療でホワイトスポットを見えないようにできます。ベニアは歯の表面を覆うように歯科材料を貼り付けてきれいに見えるようにする治療法です。ベニアを取り付けやすいように歯の表面を薄く削って成形する必要があるので、完全に削らない治療法ではありません。しかし、仕上がりが美しくなる点はベニアで治療するメリットです。

低粘性レジン浸潤法

低粘性レジン浸潤法は、歯の表面を浸潤性のあるレジンで処理する方法です。ホワイトスポットが気になる部分にレジンを浸潤させることで、乱反射が起こる状況になっている患部の状態を均一に整えます。初期虫歯が原因のホワイトスポットで用いられている方法で、「アイコン」という製品を使用するのが一般的です。

ホワイトニング

ホワイトニングは、歯に沈着した着色物質を分解して歯を白くする方法です。ホワイトスポットの根本的な治療にはなりませんが、ホワイトスポットと歯のコントラストを小さくできます。ホワイトニングをして歯を白くするとホワイトスポットと色が近くなって目立たなくなるからです。白い歯にしたいと思っている人はホワイトニングも併用するときれいな歯に生まれ変わります。

まとめ

ホワイトスポットは、原因に合わせた治療をすればきれいにできます。初期虫歯が原因の場合には、この時点で治療をすれば負担が少なくて済みます。ホワイトスポットで悩んだときには歯医者で診察を受けましょう。