歯周病

予防歯科とは?診療内容と受診するメリット・デメリット

予防歯科は、歯と口腔の健康を維持し、虫歯や歯周病などの問題を未然に防ぐ歯科医学のアプローチです。具体的に予防歯科ではどのような処置が行われるのでしょうか?この記事では、その診療内容と受診することのメリット・デメリットについて詳しく解説します。

予防歯科とは

予防歯科は、虫歯や歯周病などの口腔疾患を事前に防ぐことを目的とした医療です。歯科医による定期的なプロフェッショナルケアと、日々のセルフケアが組み合わされて実施されます。目的は、一生涯にわたって健康な歯を維持し、生活の質を向上させることにあります。

予防歯科の診療内容

予防歯科では歯や口腔の診察や検査も実施します。予防歯科には特徴的な診療内容が4つあります。それぞれの内容を見ていきましょう。

予防歯科指導

予防歯科指導は、セルフケアのための診療です。歯磨きの指導が基本で、磨き残しがないようにブラッシングをする方法を、歯科医や歯科助手から指導を受けます。歯ブラシの持ち方や磨き方、歯間ブラシやデンタルフロスの使い方などを学んでセルフケアの質を高めることが目的です。

PMTC

PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)とはプロフェッショナルケアとしておこなう代表的なケアです。セルフケアでは取り切れないプラークや汚れなどを取り除きます。歯に形成されたバイオフィルムを除去したり、歯ブラシでは届かない細かい部分のクリーニングをしたりするのがPMTCです。歯の表面・裏面、歯の間などを徹底的にきれいにします。

スケーリング

スケーリングは歯石取りです。プラークが石灰化してできたものが歯石で、セルフケアの歯磨きではほとんど取れません。スケーリングでは磨き残しによってできてしまった歯石を除去して良好な口腔環境を整えます。歯周病の治療のときには保険適用でスケーリングが受けられます。

フッ素塗布

フッ素塗布は、歯を強化し虫歯を防ぐための予防歯科処置です。フッ素を塗布すると、歯の表面にフルオロアパタイトが形成され、虫歯菌が生成する酸への抵抗力を高めます。フッ素には抗菌作用もあり、細菌の増殖と酸の生成を抑制することで虫歯のリスクを減らします。また、再石灰化を促進し、すでにダメージを受けた歯の修復を助けます。これらの理由から、フッ素塗布は予防歯科で広く実施されています。

予防歯科のメリット

予防歯科には多くのメリットがあります。ここでは、特に重要なポイントに焦点を当てて解説します。

歯の健康を保てる

予防歯科により、健康で機能的な自分の歯を長期にわたって維持できます。噛む力が向上し、口臭やその他の口腔の問題が減少します。健全な歯は全身の健康にも寄与し、良好な栄養摂取と消化のためにも不可欠です。そのため、予防歯科は単に口腔の健康を向上させるだけでなく、全体的な生活の質を改善する基盤となります。

治療の負担を減らせる

予防歯科に取り組むことで虫歯や歯周病などを防ぎ、治療のために歯科医に通うことが減らせます。虫歯の治療で歯を削るのが怖い、痛くて不安があるという人もいるでしょう。予防で健康な歯と口腔を保ち、治療する必要がない状態を目指せます。

セルフケアを学べる

予防歯科の大きなメリットの一つは、効果的なセルフケアの方法を学べることです。自宅での歯磨きに自信があっても、磨き残しにより虫歯や歯周病が発生することは珍しくありません。予防歯科では、あなたの歯と口腔の状態を詳しく診察し、その結果に基づいて最適なセルフケアの方法を指導してくれます。患者ごとに個別化された指導により、長期的に口腔内の健康維持に期待でき、将来的な歯科治療の必要性を減らせます。

予防歯科のデメリット

予防歯科は多くのメリットがありますが、いくつかの考慮すべき点も存在します。

定期的に費用が発生する

予防歯科では、定期的な診療とメンテナンスが必要となります。通常、1~3ヶ月ごとに歯科診療所を訪れることになるので、その度に費用がかかります。

信頼できる歯医者を見つける必要がある

歯の長期的な予防ケアのためには、信頼できる歯科医師との関係構築が欠かせません。経験豊富で信頼できる歯科医師に任せたいと考えるでしょう。合う、合わないといった相性の問題もあるため、自分に合った歯科医を見つけるために時間がかかることもあります。

まとめ

予防歯科は、虫歯や歯周病などの歯や口腔の病気を防ぐために欠かせません。いつまでも安心して噛める歯を保ち、虫歯で痛い思いをしなくて済むようにするためには予防が必要です。プロフェッショナルケアとセルフケアの両方に同時に取り組むことで、効果を最大化できます。健康的な歯を守るために予防歯科でケアをしていきましょう。

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