歯列矯正が終わった後も、美しい歯並びを維持するためには「保定装置(リテーナー)」が欠かせません。リテーナーは矯正後の歯が元の位置に戻らないように固定する装置です。この記事では、リテーナーの種類や使用方法、装着期間の目安、重要性について詳しく解説します。
目次
保定装置(リテーナー)とは
保定装置(リテーナー)は、歯列矯正後に歯を固定し、元の位置に戻らないようにするための装置です。リテーナーには、取り外し可能なリテーナーと固定式リテーナーの2つがあります。
取り外し可能なリテーナーは、クリアプラスチック製やワイヤー製があり、自分で装着と取り外しが可能です。固定式リテーナーは、歯の裏側にワイヤーを接着して固定するもので、歯科医によって装着されます。どちらのタイプも歯の位置を保持し、矯正治療の成果を長期間維持するために重要です。
保定装置(リテーナー)を正しく使わないとどうなる?
リテーナーを正しく使用しないと、歯が元の位置に戻りやすくなります。たとえば、リテーナーの装着を怠ると、歯が再び動き始め、矯正治療前の状態に戻ることがあります。そうなれば、再治療が必要になる可能性も否定できません。また、歯の移動により噛み合わせが悪くなり、顎関節に負担がかかることもあります。
保定装置(リテーナー)の装着期間
矯正治療が完了した後、最初の段階では1日20時間以上リテーナーを装着することが推奨されます。食事や歯磨きの時間を除いて、常にリテーナーを装着するようにしましょう。
初期段階が過ぎた後は、定期的な通院を通じて歯の状態を観察しながら、徐々に装着時間を減らしていきます。たtえば、最初の3ヶ月間はフルタイム装着、その後は夜間のみの装着に移行するなど、歯科医師の指示に従って装着時間を調整します。
保定装置(リテーナー)の注意点
リテーナーを適切に使用するためには、いくつかの注意点があります。これらのポイントを守ることで、リテーナーの効果を最大限に引き出し、矯正治療の成果を維持することができます。以下に、リテーナー使用時の意点を詳しく解説します。
リテーナーの清潔さを保つ
リテーナーを常に清潔に保つことは非常に重要です。毎日ブラシで洗浄し、細菌の繁殖を防ぎましょう。
リテーナーを取り外し、柔らかいブラシと抗菌石鹸で優しく洗います。歯磨き粉は研磨剤が含まれているため、リテーナーを傷つける可能性があるので避けましょう。また、専用の洗浄剤を使用して、定期的にリテーナーを浸漬します。これにより、日々のケアでは落としきれなかった汚れや細菌を除去できます。
固定式リテーナーの場合、特に歯とリテーナーの間の清掃が重要です。フロススレッダーを使って、ワイヤーの下や歯の間をしっかりと清掃します。
食事中はリテーナーを外す
リテーナーを装着したまま食事をすると、損傷や汚れが付きやすくなります。
リテーナーを外してから食事をし、食後に再度装着します。これにより、リテーナーの寿命を延ばし、清潔さを保てます。また、リテーナーを外したときは、専用のケースに入れて保管しましょう。
リテーナーが痛いときは歯科医師に相談する
リテーナー装着中に痛みを感じる場合は、速やかに歯科医師に相談することが重要です。リテーナーが適切にフィットしていない可能性があり、そのまま放置すると歯や歯茎にダメージを与えることがあります。
保定装置(リテーナー)が壊れたときの対処法
場合によっては、新しいリテーナーが必要になることがあります。歯科医は新しいリテーナーの型取りや調整を行います。保定装置が壊れたときの料金については歯科医院で異なるため、事前に確認しておきましょう。
リテーナーは衝撃に弱く、落としたり、誤って踏んだりすると壊れることがあります。スポーツやアクティビティ中に口に強い力が加わると、リテーナーが破損する可能性があるため、できれば外すことが大切です。また、硬い食べ物や粘着性のある食べ物を噛むことで、リテーナーに過度な力が加わり、破損の原因となります。キャンディやナッツ、固いフルーツなどは特に注意が必要です。
保定装置は正しく使用しましょう
リテーナーを適切に使用し、定期的に清掃・点検することで、矯正治療の効果を長期間維持できるようになります。矯正治療後も面倒なケアをすることにはやる気が出ない方もいるかもしれません。せっかく整えた歯並び・噛み合わせが再び乱れることがないように、歯科医師の指示に従ってリテーナーを使用しましょう。