妊娠中に歯医者で治療を受けることは、お腹の赤ちゃんに影響があるのでしょうか。妊娠初期は特にセンシティブな時期なので、歯のセルフケアや歯医者での治療は慎重におこなうことが必要です。この記事では妊娠初期に歯医者に行っても大丈夫なのかといった疑問や、妊娠中の口腔ケアや歯科治療について紹介します。
目次
妊娠初期の治療は応急措置に留める
妊娠初期には、なるべく歯科治療は避けることが望ましいです。しかしながら歯の問題を先送りすることも問題ですので、妊娠初期だったとしても歯の痛みなどがあれば、応急処置のため早めに歯医者への受診を検討しましょう。
安定期に入った妊娠5か月目から7か月目くらいに本格的な治療に入れます。妊娠後期は、お腹が大きくなることで治療を受ける姿勢が取りづらくなるため向いていません。
妊娠中の歯科治療に際しては、母体と胎児の安全を最優先に考慮した治療計画を立てることが重要です。妊娠中の特別なケアが必要な場合は、対応できる歯医者に相談します。
妊娠初期に気を付けること
妊娠中に気を付けたいことを以下に紹介します。
妊娠初期における口腔環境の変化
妊娠初期は口腔環境が大きく変化する時期です。そして妊娠中は女性ホルモンのバランスが変わり、精神的な不安定さや唾液の減少が見られることがあります。つわりにより歯磨きが困難な状態になることもあるため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
安定期に入るまで大きな治療を避ける
妊娠初期では、赤ちゃんへのリスクを考慮し、大規模な歯科治療は避けるべきです。妊娠5ヶ月～7ヶ月の安定期までは、麻酔などを伴う治療を控えます。赤ちゃんへの悪影響を避けるためにも、この期間は外科的な歯科治療を最小限に留め、口腔内の健康を保つことが重要です。
歯のストレスを抱えやすい
妊娠初期はホルモンバランスの乱れから精神的な不安定さが生じがちです。この状態で虫歯や歯周病になると、さらにストレスが増加します。また、虫歯や歯周病による痛みで噛むことが困難になるリスクもあります。妊婦と赤ちゃんに必要な栄養をしっかり摂取することが大切です。
妊娠初期における歯のケアのポイント
妊娠初期には、自分でできる歯のケアが重要になります。妊娠初期の歯のセルフケアで重要なポイントを見ていきましょう。
体調が良いときに歯磨きをする
妊娠初期には、つわりがひどくて歯磨きができないこともよくあります。気持ち悪くなってしまって歯磨きがつらいときには無理をしないようにしましょう。食事をした直後ではつらいという場合には、少し時間を置いて落ち着いてから歯磨きをするのがおすすめです。体調が悪いときには決して無理をせず、できると思ったタイミングで歯磨きをしましょう。
歯磨き粉を無理に使わない
歯磨き粉に含まれるフッ素や研磨剤などは、歯の健康にプラスの作用を持っています。ただ、妊娠初期では無理に歯磨き粉を使わずに磨くことをまず重視しましょう。歯磨き粉によく使われているミントなどのフレーバーが刺激となり、歯磨きができなくなることはよくあります。フレーバーの少ない無香料の歯磨き粉を使う方法もありますが、歯磨き粉なしで磨くことも考えましょう。
コンパクトなヘッドの歯ブラシを使う
妊娠初期には歯ブラシを小さくするのもおすすめです。歯のセルフケアをする上で歯ブラシは重要な役割を果たします。コンパクトなヘッドで小回りが利く歯ブラシにすると、狭いところまできれいに磨けます。ヘッドが大きいと口腔内を刺激して不快感を受けることもあるので、妊娠初期に歯磨きがつらいと思ったときには、コンパクトなヘッドの歯ブラシに換えてみるとよいでしょう。
妊娠初期に歯医者でできる治療
妊娠初期には赤ちゃんへの影響を考えて、歯医者は慎重に治療を検討します。妊娠初期に歯医者で診察を受けたときは以下のような治療を受けられます。
・クリーニング
・歯磨き指導
・痛み止めや化膿止め
歯や歯茎の状態を良くするためのクリーニングは受けられます。赤ちゃんに影響が少ない範囲で薬を最小限で処方してもらうことも可能です。歯の健康を保つための歯磨きの仕方も教えてもらえるので、妊娠初期に一度は歯医者に行って指導を受けるのもよいでしょう。
妊娠初期に歯医者で避ける治療
妊娠初期には胎児への影響を考えて避けるべき歯科治療もあります。特に麻酔などの薬剤の影響を考慮して、以下の治療は安定期に入るまで待つのが一般的です。
・虫歯治療
・歯周病治療
・抜歯
・歯列矯正
・インプラント
・ホワイトニング
安全性のエビデンスがないので推奨しないという歯医者もありますが、基本的には安定期に入れば治療を受けられます。
まとめ
妊娠初期は、つわりの影響もあって口腔環境が悪くなりやすいものです。妊娠初期には薬剤による胎児への影響が心配なので、麻酔などを使用する治療は妊娠初期には望ましいとは言えません。安定期になるまでは大きな治療はしないのが原則です。妊娠初期では応急処置に留め、セルフケアに注力します。妊婦さんの歯の健康は、元気な赤ちゃんを産むためにも大切なことです。安心して出産できるように口腔環境を守っていきましょう。