コラム

歯が痛いときの自宅でできる応急処置はある?注意点も解説

歯の痛みは突然襲ってくることがあり、その原因もさまざまです。夜中や休日など、すぐに歯医者に行けない状況で痛みを感じた場合、自宅でできる応急処置を知っていると便利です。

本記事では、歯が痛いときに自宅でできる応急処置の方法と注意点について詳しく解説します。

歯が痛いときの応急処置

歯の痛みが急に襲ってきたとき、自宅でできる応急処置を知っていると安心感を得られるでしょう。以下に、応急処置の方法を紹介します。

患部を冷やす

歯の痛みがある場合、まず試してみるべき方法の1つが患部を冷やすことです。冷たいものをあてることで、痛みや腫れを一時的に緩和できます。

小さな氷の塊や冷却ジェルパックをタオルや布で包み、痛みのある頬の外側に10分ほどあてましょう。直接歯にあてるのではなく、皮膚を介して冷やすことで痛みが和らぎます。

10分程度冷やしたら、20分間の休憩をはさみ、必要に応じて再度冷やします。冷やしすぎると凍傷になる可能性があるため、適度に行うことが重要です。

市販薬を使う

市販薬を使うことも、歯の痛みを一時的に和らげる有効な方法です。アセトアミノフェンやイブプロフェン、ロキソプロフェンなどの鎮痛成分を含む市販薬を使いましょう。

ただし、アレルギーや既往症がある場合は医師に相談することが大切です。また、用法・用量を守らずに長期間服用することは避けてください。

口内を清潔にする

歯の痛みを感じたとき、口内を清潔に保つことも重要です。口内の衛生を保つことで、感染や炎症が悪化するのを防げる場合があります。

痛みのある歯やその周辺の歯茎は敏感になっていることが多いため、柔らかめの歯ブラシでやさしいブラッシングを心がけます。また、デンタルフロスを使って歯と歯の間の食べかすやプラークを除去しましょう。

歯が痛いときの間違った対処法

歯の痛みがあるとき、すぐにでも和らげたいと思うものです。しかし、適切な対処法を知らないと、かえって症状を悪化させてしまうことがあります。歯が痛いときに避けるべき方法について詳しく見ていきましょう。

むやみに触れる

痛む歯やその周辺をむやみに触れることは避けるべきです。手や指には多くの細菌が付着しているため、痛む歯や歯茎に触れることで細菌が侵入し、感染を引き起こす可能性があります。

また、触ることによる刺激によって炎症が強くなり、腫れや痛みが増すことも予想されます。

入浴や飲酒などで身体を温める

歯の痛みがあるときに入浴や飲酒で身体を温めることは避けるべきです。身体を温めることで血流が増加し、腫れや痛みがさらにひどくなる可能性があります。

また、飲酒によって一時的に痛みを感じにくくなることもありますが、アルコールの作用が切れた後に痛みが増すことがあるため、適切な対処法とは言えません。

喫煙する

歯が痛むときに喫煙することも避けるべきです。ニコチンは血管を収縮させ、血流を悪化させるため、治癒を遅らせる可能性があります。

また、タバコの煙に含まれる有害物質は、口腔内の組織に悪影響を与え、感染のリスクを高めます。

痛みがなくなるまで我慢するのはNG

歯の痛みを感じたとき、仕事や家庭の事情で忙しかったり、痛みが一時的に軽減されたりすると、そのまま放置してしまいがちです。しかし、痛みがなくなるまで我慢するのは非常に危険です。特に、痛みが急に消えた場合は注意が必要です。それは、神経が壊死している可能性があるからです。

虫歯や外傷によって歯髄が炎症を起こし、痛みを感じます。この段階で痛みが強くなり、歯や周辺の組織が腫れることがあります。炎症が進行すると、歯髄内の血流が遮断され、酸素や栄養が供給されなくなります。血流が遮断されると、歯髄は徐々に壊死し始めます。

歯髄が完全に壊死すると、神経が機能しなくなり、痛みを感じなくなります。痛みが急に消えるため、一見すると問題が解決したかのように見えますが、実際には深刻な状態です。壊死した神経は細菌の温床となり、感染が歯の根の周りや顎骨に広がる可能性があります。最終的には骨髄炎などの重篤な感染症を引き起こすこともあるため、なるべく早く対処しなければなりません。

応急処置をしつつ早めに歯科医院を受診しよう

歯の痛みが突然襲ってきたとき、自宅でできる応急処置は役立ちますが、なるべく早く歯科医院で根本的な治療を受ける必要があります。応急処置を毎日続けると、市販薬の副作用が懸念されるうえに、いずれは歯の神経が壊死して抜歯せざるを得なくなることも予想されます。

このような事態を防ぐためにも、歯が痛み出したら応急処置をしつつ、なるべく早く歯科医院を受診しましょう。

関連記事